糖尿病は治る – ジェイソンファン医師による治療クイックガイド[和訳]

「糖尿病は治る病気。」ー進行性で薬やインスリン注射で対処するのが一般的とされる治療方法が間違っていること、それがなぜか、どうするべきなのか、分かりやすく、そして刺激的に語る腎臓専門医のジェイソン・ファン医師(Dr. Jason Fung)。2019年1月に、彼の著書「太らないカラダ(The Obesity Codeの和訳)」という本が日本で発売になり、そこでは”トロント最高の医師”として紹介されています。

2型糖尿病と肥満に特化した治療方法「インテンシブ・ダイエタリー・マネジメント・プログラム(集中型食事管理プログラム)」を独自に開発され、糖尿病患者を治療されています。糖尿病は食生活に起因する病気であり、治すには薬ではなく食生活・ライフスタイルの改善を主張されています。

この記事では、ジェイソン・ファン医師がご自身の集中型食事管理プログラムのウェブサイトで発信されている、「糖尿病治療のクイックスタートガイド」のページを全文和訳してご紹介します。

原文はこちらで、以下和訳は原文に忠実に訳しています。

Dr. Jason Fung, “How to Reverse  Type 2 Diabetes, The Quick Start Guide

https://idmprogram.com/reverse-type-2-diabetes-the-quick-start-guide/

以下から和訳部分です。

どうやって2型糖尿病を改善するか

20年前、ピカピカのビデオデッキを買った時、一緒に分厚い取扱説明書もついてきたはず。
それを読んでって製造側は嘆願するだろうね。
セットアップの手順や問題が起こった時の対処方法を詳細に書いてあるから。

ただ、大抵の人たちはそんなマニュアルは無視する。単に電源繋いで、それから後どうなるかやってみる。こんなんだから、設定に夜中までかかったりする。

今では、ほとんどの最新の電子機器は、クイックスタートガイドがついてくる。機械を使い始める基本の4つとか5つのステップが書いてあって、それ以上の詳細を知りたい人は、詳細の操作マニュアルを読めばいい。こうしたほうが、操作マニュアルもよっぽど便利になる。

ビデオデッキについては詳しくないけど、2型糖尿病については知ってる。肥満についての本も書けるし(え、待って、そういえばもう本書いたんだった。※1)、ファスティング/断食(あ、待って、こっちもだ。※2)、糖尿病も。

だけど、あなたたちの多くは、操作マニュアルの全部を読まないことはもう分かってる。
だから、今書いてるのは、クイックスタートガイドの方ね。

※1: 「THE OBESITY CODE – トロント最高の医師が教える世界最新の太らない体」、サンマーク出版から2019年1月に日本でも発売開始。

※2: 「The Complete Guide to Fasting」、和訳されていない様子。

完全に改善可能な病気

ほとんどの医者、栄養専門家、糖尿病専門家は、糖尿病は慢性で進行性の病気だという。例えばアメリカ糖尿病学会(The American Diabetes Association)は、彼らのウェブサイトで誇らしげにそういってる。一度診断を受けたら終身刑って感じでね。でも、それは実は壮大な嘘だ。

2型糖尿病はほとんどいつも改善できる。そしてこのことはバカみたいに簡単に証明できる。
これは、糖尿病や予備群と診断されたアメリカの成人の50%以上にとっては素晴らしいニュースだ。この真実を知ることは、彼らにとって最も重要な最初のステップになる。実は、これってほとんどの人にとっては、すでに真実だと直感で分かってたはず。

あなたの友達が糖尿病と診断されたとしよう。そしてその友達が頑張って25キロダイエットする。そしてそれまで飲んでいた薬を飲まなくても良くなって、血糖値も正常になったとする。その時あなたは友達になんて言う?

多分、「よくやったね。自分自身の体を気遣ってるんだね。その調子!」みたいなこと言うんだろうね。

「お前はほんと嘘つきだな。俺の医者は糖尿病は慢性で進行性の病気って言ってたんだ。お前は嘘ついてるに違いない。」なんてことは言わないよね。

完全に明確だけど、糖尿病は、その友達が痩せたからからだってわかるよね。そしてそこがポイント。糖尿病は改善できる。

みんなずっと分かってた。でも、食生活とライフスタイルの変化によって”だけ”、改善する。薬じゃない。一番大事なことは、痩せること。でも糖尿病の薬を飲んでる限り痩せられない。その逆。例えばインスリンは、体重が増えることで悪名高い。患者はなんとなく間違った方向に進んでることを感じる。

彼らはよくこんなこと言う。「先生、いつも減量が糖尿病治す鍵っていうけど、10キロも太らせるような薬を処方してるよね。ほんとにこれでいいの?」私はなんて答えていいかわからなかった。だって良い答えてなんてないから。これはまずい。減量が鍵なんだ。そうすると糖尿病は治ってしまうか、少なくとも劇的に改善する。だから、ロジカルに考えると、インスリンはこの病気を治すのにあてにならない。というよりむしろ悪化させる。

その他のメトホルミン(metformin)やDPP4のような薬は体重への影響は中立的だ。悪化はさせないけど、だからといって状態を改善するわけでもない。糖尿病には痩せるのが鍵なんだから、薬は意味がない。薬が改善するのは血糖値で、糖尿病じゃない。糖尿病がよくなったって思い込めるけど、そんなの真実じゃない。

これが、ほとんどの医者が2型糖尿病は慢性の進行性疾患だと思ってる理由だ。私たちは間違った方法で治療を続けている。だって、食生活由来の病気を薬で治そうとしているんだから。効果ないのも当然なわけだ。

じゃあ、どうやったら糖尿病は治るのか。

シュガーボウル

2型糖尿病患者や予備群の一番の特徴は、体内に砂糖が溢れてること。血液中の砂糖が多すぎるだけじゃない。それは問題の一部でしかない。体全体に砂糖が溢れてるのが問題なんだ。
体が、シュガーボウルって想像してみてほしい。要は砂糖が入ったボウル。若い時は、砂糖は空っぽ。何十年に渡って、私たちは間違ったものを食べる。砂糖たっぷりのシリアル、デザート、パンとか。そしてボウルの中の砂糖が徐々にたまっていって、満杯になる。すると次に食事した時は、砂糖はボウルに入れずこぼれていく。これが血液に溢れた砂糖。

インスリンは食事すると分泌されるホルモンで、グルコース(糖分)を細胞に届ける役割を担っている。その役割が果たせない時、グルコースは細胞の外、つまり血液中に残るしかない。この状態をインスリン抵抗性(insulin resistance)という。

でも、なんでこんなことが起こるんだ?細胞はすでにグルコースでパンパン。膨らみすぎた風船に、さらに空気を入れようとするみたいに、パンパンな場所に何かを入れるのは単純に力が必要になる。でも細胞はグルコースを受け付けない。なぜならすでにパンパンだから。インスリン抵抗性っていうのは、この溢れてしまっている現象なんだ。

服をスーツケースに押し込もうとするのと同じだ。最初は難なく服は入る。でもある時点で、最後のTシャツ2枚を押し込もうとしてもきつくなる。これはスーツケースが服に”抵抗してる”ってこと。最初の2枚を入れるより、この最後の2枚押し込む方がずっと大変。同じ現象だよね。細胞はたくさんすぎるグルコースでいっぱいだから、そこに無理やり入れようとしてもそうはいかない。やろうと思うと、もっと大量のインスリン使って押し込むしかない。

大量のインスリンをもってしても、細胞の”抵抗”に勝てなくなったら、血糖値が上がって、医者はあなたが2型糖尿病だと告げ、メトホルミンのような薬を処方し出すだろう。でもメトホルミンは糖分を取り除いてはくれない。その代わりに、血液中の糖分を集めて、単に肝臓に渡してあげるだけだ。肝臓だって糖分は欲しくないから、自分以外の内臓に送ってあげる。腎臓、神経、目、心臓なんかに。ほとんどのこの余分な糖分は脂肪になっていく。

もちろん問題は解決しちゃいない。シュガーボウルは満杯のままだから。ただ血液中の糖分(気づくところにあるからね)を、単に体内のいろんなところ(気付かないところね)に移動させただけ。だから、また食事をした時に全く同じことが起こる。糖分が入ってくる。血液中に入る。メトホルミンで糖分を体内のいろんなところに移動させる。この対処はしばらくは機能する。でも徐々に身体中が砂糖で溢れてくる。そうなると、メトホルミンでも、これ以上糖分を体に押し込むことは出来ない。

そしてあなたは病院に行く。すると医者はどうするか。体に害を与える糖分を取り除く代わりに、薬の量を2倍にする。スーツケースが閉まらなかったら、対処法ってまず中身出して隙間作るよね。力ずくで入れるんじゃないよね。多量の薬はちょっとの間は効く。もう無理って言ってる体に、薬の力で糖分を押し込むことで血糖値は下がる。でも徐々に、2倍の量の薬でも限界が見えてくる。こうなると、医者は別の種類の薬を処方する。そしてまた3種類目。やがてはインスリン注射に至る。

何年もかけて、糖尿病予備群から糖尿病患者になる。最初は1種類だった薬も、2種類、3種類、そして最後は多量のインスリン注射という具合に。はっきり言おう。血糖値を同じレベルに保つために、飲んでる薬が増えていっているなら、あなたの糖尿病は悪くなってる!血糖値は改善してたとしても、糖尿病は悪化してる。これは不幸なことに、実際にどの患者にも起こっている。体には溢れんばかりの糖分が存在している。薬はその体に、血液中の糖分を無理やり吸収しろっていってるに過ぎない。

糖尿病は一見良くなってる。なぜなら血糖値しか見えないから。医者は、自分たちの治療がうまくいっている錯覚を見ながら自らを褒めるかも知れない。そうしてる間にも、患者は継続して状態が悪化しているというのに。患者は薬の量が増え続けるし、やがて心臓病や腎臓疾患、手足の切断や失明に苦しむことになる。医者は言う。「しょうがないよね、だって慢性進行性疾患だし。」

想像してほしい。台所の生ゴミを、ゴミ出しの日に捨てるのではなく、カーペットで覆って隠すところを。部屋は一見きれいになった。これを続けていくとする。カーペットの下にゴミを隠すスペースがなくなってしまったら、寝室に、そしてトイレにゴミを隠していく。するとどうだろう。次第に臭ってくる。しかも超強烈に。ゴミは隠すんじゃない。捨てなきゃいけない。もし多すぎる血液中の糖分が体に毒だってわかるなら、なぜ身体中に糖分が多すぎるのが同じように毒だってわからないんだ?

要するに

10年、20年経つとどうなるか。身体中がくさりはじめる。他の病気にないような、合併症が全身に出るのはこういう理由からだ。どの内臓も、大量の糖分によって苦しめられる。目が腐る。そして失明する。腎臓が腐る。そして透析が必要になる。心臓もやられる。そして心臓病が起こる。脳だって同じだ。そしてアルツハイマー病になる。肝臓も腐る。そして糖尿病性足潰瘍ができる。神経も腐る。そして神経障害になる。身体中どこもこの影響から逃げられない。

薬やインスリンは、進行する内臓へのダメージに対して、一切何もしてくれない。なぜなら有害な過剰な糖分を排除する働きをしないから。我々はこの不都合な事実を2008年から知っている。7か国以下の複数機関の、薬による血糖値コントロールのランダム化コントロール実験結果では、ACCORD, ADVANCE, VADT, TECOS, ELIXA, SAVORといった薬が、糖尿病患者の最大の殺人鬼である心臓疾患を減少させられると示せなかった。私たちは、薬によって血糖値を下げることが人々を幸せにしているかのように振舞っている。でもそれは嘘だ。食事が原因の病気を薬で治すことは出来ない。

どうやって糖尿病を治すか

2型糖尿病を理解したら、解決策は火を見るより明らかだ。体内に糖分が溢れかえっているなら、シンプルに取り出せばいい。見えないところに隠すんじゃない。糖分を排除していく方法はこの2つしかない。

  1. これ以上体に糖分を入れない
  2. 体内の糖分を燃やす

以上。やらなきゃいけないのはこれだけだ。何がいいかって?全部ナチュラルだし、一切費用はかからない。薬なし。手術もなし。無料。

ステップ1. これ以上体に糖分を入れない

まずは砂糖と精製されたデンプンを食生活から排除する。砂糖は栄養価はないので、なくしても問題ない。デンプンは砂糖の分子が長いものだ。小麦粉や白米のようにかなり加工されているものは、消化段階で素早くブドウ糖に分解されやすい。ブドウ糖は血液に流れ込み、血糖値を上げる。例えば、普通の食パンを食べると、すぐに血糖値が上がる。
血糖値を上げるものを食べるな、なんてわかりきったことだと思わないか?だってその血液中の糖分はやがて体内に吸収されるんだから。究極の戦略は、精製された炭水化物をほとんど、もしくは全く食べないことだ。

タンパク質は摂りすぎると体内でブドウ糖に変換される。すなわち、体内に糖分を増やさないためにも、タンパク質の食べ過ぎも避けるべきだ。プロテインシェイク、プロテインバー、プロテインパウダーなども避ける対象となる。その代わりに、野菜や天然のヘルシーな脂質をたくさん食べるのにフォーカスしてほしい。

脂質はこれまで心臓病の原因になるとして悪者扱いされてきたが、それは違う。「Dietary fat is back」だ。例えばアボカド、ナッツなどに含まれる脂分やオリーブオイルなどの天然の油脂は、糖尿病にも心臓病にも健康的な効果があると知られている。地中海食のような、天然の脂質をたっぷり含む食生活は、健康的な食事として捉えていい。食事から摂るコレステロールは、体に有害な影響は及ぼさないことは証明されている。卵やバターはもう悪者ではない。

最も重要なのは、加工されていない、天然の食べ物を食べることだ。

ステップ2. 体内の糖分を燃やす

ファスティング(断食)は、体が体内の糖分を燃やすのに最もシンプルで手っ取り早い方法だ。血液中のブドウ糖は体がアクセスしやすいエネルギー源だ。ファスティングは食事と正反対の行為だ。言い換えると、食べていない時はファスティングしている。食べている時は、体は食事から得たエネルギーをため込む。ファスティングすると、体はそのエネルギーを燃やす。そのファスティングしている時間を伸ばせば、ため込んでいる糖分を燃やすことができる。

2型糖尿病患者は、体内のブドウ糖が過剰な状態であるため、そのブドウ糖を燃やせば糖尿病の改善につながる。断食、ファスティングと聞くと、ものすごく厳しいことに思えるかもしれない。ただ、断食は少なくとも2000年以上は実施されてきている。最古の食事による治療法でもある。実際に歴史上の何百万人もの人々が、何の問題もなく断食を行ってきた。もしあなたが今薬を飲んでいるなら、実施にあたり医師に相談してほしい。ただ、オチはこうだ。

もし食べなかったら、血糖値は下がるか?もちろんそうに決まってる。

もし食べなかったら、体重は減るか?もちろん。

であれば何が問題になろうか。私が見る限り問題なんてない。

私たちは2型糖尿病患者や予備群の人々を治すことができる。今日、たった今から、直ちに取りかかれる。コスト、薬、手術なし。方法は全部天然で、歴史ある方法で。あと私たちがすべきなのは、治療すると決めて、勇気を出してこの知識を実践することだけだ。

和訳部分は以上です。

刺激的な言い回しなどもあったと思いますが、ジェイソン・ファン医師の原文や性格を反映して記載しました。英語OKの方は、YouTubeで「Jason Fung」で検索してみてください。糖尿病、ファスティング、ダイエットなどの有益な情報がたくさん得られると思います。

2019年1月には、2016年に発売された「The Obesity Code」という本が和訳された、「トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ」という本も発売されました。ダイエットしたい方、糖尿病予備群の方、健康が気になる方はぜひ読まれてみてください。

この記事がお役に立てていますように!