糖質制限のメリットとダイエット・健康効果TOP10

過去数十年に渡り、太る原因は脂肪にあるとされてきました。そのため、油っこいものは控えて、1日のカロリーのうち50-65%は炭水化物から摂りましょう、と教えられてきたと思います。

しかし最近ではこの常識が変わりつつあり、炭水化物に含まれる”糖質”について見直されてきています。

日本ではライザップの登場もあり、糖質制限は最近始まったように感じますが、実は世界的に見ると、数十年の歴史があります。例えば、古くから言われている糖質制限ダイエットで代表的な「アトキンス・ダイエット」は1972年に提唱されました。

糖質制限は本当に安全なのか?といった声もありますが、人間を対象とした糖質制限ダイエットの研究論文は2002年以降は20を超えており、そのほとんどが、糖質制限によるダイエット効果を示すだけでなく、健康を損ねる危険因子を減らすことに対しても効果的であることを証明しています。

(糖質制限が安全なのか、という議論は個人的には意味がないと思っています。人類数百万年の歴史において、糖質が食生活に登場したのはほんの最近のこと。これまでの進化の過程で、糖質がないと生きていけないなんて体の仕組みにはなっていないはずです・・・!)

この記事では、こうした研究成果で確認された、糖質制限による健康効果やメリットのTOP10をご紹介していきます。

︎食欲が抑えられる

これまでのダイエットの常識は「摂取カロリー<消費カロリー」でした。

そのため、カロリー制限により食べる量を減らし、たくさん運動して消費カロリーを増やす。このような考えが当たり前でした。

しかし、実際にやってみるとどうでしょう。カロリー制限すると常に空腹感との戦い、自分の意思の弱さを呪いつつ、結局誘惑に負けて甘いものに手を出してしまう、翌日のカロリーを控えて調整する、、、といった経験はないでしょうか。

空腹感のせいでストレスが溜まったり、ダイエットが長続きしなかったりしますよね。

糖質制限ダイエットで期待できる最高の効果は、自然と食欲が薄れていくことです。

私は以前、デイブ・アスプリー氏の著書「シリコンバレー式最強の食事」に書いてある糖質制限の食生活を実践してみたところ、本当に食欲がなくなってきて驚いた経験があります。

父が病気をした際、薬の副作用で食欲がなくて、以前好きだったものも食べたいと思わなくなるほどでしたが、その感覚はこれか!と思うくらいでした。

これまではチョコレートやアイスクリームのような甘いものが大好きだったのに、自然と食べたいと思わなくなっていました。

甘いものを食べる代わりに、野菜をたっぷり、お肉もしっかり、食べるようにして、体が必要な量を食べて幸せな満腹感を味わっていました。

糖質制限ダイエットでは、体が体脂肪をエネルギーとして効果的に活用できるようにするため、天然の良質な脂質(バター、肉の脂身等)の摂取量を増やすのが一般的です。

油は炭水化物と比べるとカロリーが高いです。それでも、糖質制限後は、食欲が収まるため、普通に食事をしていた時と比べても摂取カロリーが減る傾向にあります。

減量スピードが上がる

研究によると、糖質制限によって、より短期間で、たくさん減量できた、という結果が確認されています。カロリー制限によるダイエットよりも効果的に減量ができます。

「最強の食事」本を書店で目にした時、”1日0.5kgずつ体重が減っていく“と書いてあり、最初は胡散臭いなーと思っていました。

しかし、実際に始めてみると、面白いように体重が減っていきました。

糖質制限ダイエットと無脂肪・低脂肪ダイエットでの体重減少の仕方を比較した調査では、糖質制限ダイエットの方が、空腹感なしで、脂肪制限ダイエットより2-3倍も減量できた、という結果もあります。

内臓脂肪が減っていく

体脂肪には大きく、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類があります。

皮下脂肪は、指でつまめる脂肪です。

内臓脂肪は、指でつまめません。お腹が太鼓のようにパンパンだったりすると内臓脂肪がついている可能性が高いです。内臓脂肪は体内の炎症を引き起こしたり、インスリン抵抗性や「メタボ」と呼ばれるメタボリック症候群の原因となります。

糖質制限は、内臓脂肪を減らすのにとても有効です。

その効果は研究でも証明されています。肥満の男女69人を対象に、2グループに別れて8週間に渡って糖質制限および無脂肪・低脂肪の食生活を続け、健康状態の変化を調べる研究が行われました。その結果、糖質制限を行ったグループの方が内臓脂肪を10%以上、体脂肪全体で4.4%も多く、無脂肪・低脂肪の食生活グループよりも燃焼していました。

内臓脂肪が減ると、心臓病や2型糖尿病などの生活習慣病のリスク低下にもつながるので大きなメリットですね。

︎中性脂肪が減少する

中性脂肪について日常生活ではあまり意識しないかも知れません。

中性脂肪とは、体内のもっとも強力なエネルギー源です。エネルギーが凝縮されているため、中性脂肪だけで人間は水分さえ摂っていれば1か月は生活できると言われるほどです。脂肪細胞に蓄積されており、糖質制限、カロリー制限、ファスティングなどによって外から体内に入ってくるエネルギーが少ない時に放出され、体にエネルギーを供給してくれます。

しかし、現代の食生活では、まず中性脂肪が働かないといけない状態になることは少ないですよね。なので、脂肪細胞が中性脂肪を溜め込みすぎてパンパンの状態になってしまうのです。インスリンというホルモンが細胞にエネルギーを運ぶのですが、パンパンになった細胞はエネルギーを取り込むことを拒否しはじます。これが糖尿病のリスクに繋がる「インスリン抵抗性」が発生している状態です。

糖質制限をすると、このような自体を防ぐことができます。中性脂肪がエネルギーとして使われる機会が増えるためです。そのため、糖質制限をすることで、中性脂肪値は劇的に改善することができます。

通称”善玉”コレステロールのHDLが増える

HDLという言葉に聞き馴染みはあるでしょうか。

一般的に善玉コレステロールはHDL、悪玉コレステロールはLDLと呼ばれますが、実両方、コレステロールを体内に運ぶ役割を担うタンパク質です。

LDLは肝臓からコレステロールを運び出して体内に届ける役割を担います。

HDLは体内で使われていないコレステロールを集め、肝臓がそれらを破壊したりリサイクルするのを助ける役割を担っています。この役割により、コレステロールが血管を塞ぎ、心臓病を引き起こすリスクを下げています。なので、HDLは”善玉”と言われるわけですね。

全体で1,257人を対象にした12の研究において、糖質制限によってHDLの値が改善したとの結果が得られています。比較対象とされた無脂肪・低脂肪ダイエットを実践したグループにおいてもHDL値の改善は見られましたが、改善の幅は、糖質制限ダイエットのグループが約2倍のHDL上昇を記録しています。

血糖値とインスリン値が改善される

炭水化物を食べると、体内では糖分(主にブドウ糖)に分解されます。そして血液中に流れ込み、血糖値を上昇させます。

血液中の糖分は体にとって有害な存在のため、インスリンと呼ばれるホルモンが膵臓から分泌されます。このインスリンは、細胞に対して血液中の糖分を細胞内に吸収し、糖分を燃やすか、体脂肪として溜め込むように促す役割を担っています。

健康的な人の場合、血糖値スパイクと呼ばれる急激な血糖値上昇を招き、血糖が体で悪さをする前にインスリンが反応し、血糖を細胞に取り込むように働きます。

一方、インスリンの反応が鈍い場合はどうでしょう。

血糖値の上昇を招く糖質を多く、または頻繁に食べている場合、「インスリン抵抗性」という状態になることがあります。

インスリン抵抗性が見られる場合、細胞がインスリンに反応しにくい状態となっています。そのため、細胞は血糖を細胞内に吸収せず、血糖は血液中に流れている状態が長くなります。この症状が発展すると2型糖尿病の発症につながります。

糖質制限ダイエットでは、血糖値の上昇を招く炭水化物の摂取量を制限するため、その結果、血糖値やインスリン値の上昇を防ぐことができます。

血圧が下がる

研究では、糖質制限により血圧が低下するとの結果が出ています。

146人の肥満患者を対象に、糖質制限による体重と血圧の変化を調査した研究では、糖質制限をした患者の47%が、これまで服用していた高血圧の薬を減らす、または服用しなくともよくなる状態となっています。この調査では、脂肪の摂取量を控える、いわゆるカロリー制限ダイエットを行うグループも設定していましたが、このグループで同様の結果が得られたのは21%でした。

高血圧は、心臓発作、肝機能障害など、様々な疾患を引き起こす可能性があります。糖質制限によって血圧が正常となり、薬の服用まで減らせるのは大きなメリットです。

メタボが改善される

メタボリック症候群は糖尿病や心臓疾患など、様々な病気の要因となります。例えば以下のような症状です。

・肥満
・高血圧
・空腹時血糖値の上昇
・中性脂肪の増加
・善玉コレステロールHDLの低下

これらの症状を見るとどうでしょう。先にご紹介した糖質制限によるメリットが全てカバーしている内容です。症状改善のために運動やカロリー制限によるダイエットを実践する方もいるかも知れません。しかし、空腹感や意思の強さと戦うダイエットよりも、症状全体に効果が期待できる糖質制限によって改善を目指すことも有効な対策ではないでしょうか。

通称”悪玉”コレステロールのLDLが改善される

LDLは肝臓からコレステロールを体内に運ぶ役割をしています。LDLの値が高いと、コレステロールが血管を詰まらせ、心臓病などの重大疾患を引き起こすリスクが高まります。

糖質制限を始めてから3-4か月は、LDLの値が上昇する方もいるようですが、6-8か月すると正常な数値へと改善する場合が多いです。

心臓疾患には中性脂肪、HDLなど複数の要素が関連しています。そのひとつ、LDLも糖質制限により改善が見込まれます。

脳疾患の治療にも有効

脳疾患である「てんかん」の発作に対して、投薬治療の効果が見られない子供への治療手法に糖質制限が用いられています。

よく「ブドウ糖は脳のエネルギーとして必須」といわれます。そしてそれは一部その通りです。脳の一部は、ブドウ糖しかエネルギーにできないところもあるためです。そのため、もし食事から糖質を補給できない時に備えて、肝臓がタンパク質からブドウ糖を作る機能を備えています。

脳の一部がブドウ糖を必要とするのは事実ですが、脳の大部分は「ケトン体」をエネルギー源にできるのも事実です。ケトン体は、糖質の摂取量が低いと体内で生成されます。

脳疾患の改善策として、脳がケトン体をエネルギーとする糖質制限が活用されている例もあります。その一例が、発作が繰り返し起こる脳疾患「てんかん」です。

投薬治療の効果が見られない子供への治療として糖質制限が用いられる場合があります。

多くの症例では、糖質制限によって、発作の発生率が50%以下にまで低下したり、16%の子供は発作自体が見られなくなった、との結果も出ています。現在は、アルツハイマーやパーキンソン病などの脳疾患に対する糖質制限の有効性に関する研究も進められています。

健康効果のTOP10は以上です。

糖質制限をすることで、ダイエットだけでなく様々な健康効果が期待できるんですね。

この情報がお役に立てていたら嬉しいです!

(出典)healthline.com, 10 Health Benefits of Low-Carb and Ketogenic Diets