脂肪たっぷりの食事って本当に大丈夫?ハーバード大学教授が語るQ&Aまとめ

これまで数十年以上「油を食べると太る、心臓病になる」などど悪者にされてきた脂質。最近では、ちょっとずつ体に必要な存在として認知されつつあります。

テレビの健康番組でも、オメガ3の油を積極的に食べることが推奨されていたり、バターやオイルをたっぷり入れたバターコーヒーが流行して、今やコンビニで買える時代になっていたりするんです。

2016年にデイブ・アスプリー氏の著書「シリコンバレー式自分を変える最強の食事(以下、最強の食事)」に出会って以来、積極的に食生活に油を取り入れて、体質改善に励んできた私からすると、世の中が変わってきた!と思えるくらいすごい進展を感じています。

※もともとバターコーヒーの考え方は「最強の食事」から始まっています。

そうは言っても、”脂肪はダイエットの敵!”といった概念や、低脂肪・無脂肪をうたった食品がスーパーマーケットにあふれる中、「本当に脂肪たっぷりな食事をして大丈夫?」という疑問はすぐには消えませんよね。

この記事では、糖質制限のよくある疑問に対する回答を、ハーバード大学教授(公共衛生学部:School of Public Health)のコメントを参考にまとめました。

油・脂肪たっぷり食生活に関するQ&A

Q: 脂肪を食べると太るの?

A: おそらくこれが一番気になりますね。結論からお伝えすると、太りません脂肪を食べると太るというのはダイエット神話です。

過去30年間のアメリカでの食生活に関する調査では、脂質からのカロリー摂取量は減少傾向にありますが、肥満率は劇的に上がっています。油を控える=痩せる/太らない、というロジックは成り立たないわけです。

反対に、砂糖を多くの含む清涼飲料水やジュースのような飲み物は脂質を含みませんが、肥満の原因となっています。

この結果から、脂肪をたっぷり食べても太る原因にはならないといえます。

ただし注意してください。脂質がOKといっても、ポテトチップスや揚げ物、マーガリンのような人工的に作られた油を大量に食べて良い訳ではありません。

例えばバターや脂肪たっぷりのステーキ、アボカド、ナッツなど、天然の、加工工程の少ない”本物の”食材からの脂質を食べることが重要です。

Q: ローファット/低脂肪の食生活は続けて大丈夫?

A: しばらく低脂肪の食生活を続けていて、体重、血中コレステロール、血糖値が健康に保てているのであれば、あえて変える必要はありません。

一方で、多くの人にとって低脂肪の食生活はあまり効果的ではありません。低脂肪だからと言って健康的なわけではないことは、たくさんの調査で明らかになっています。

一般的に、低脂肪の食品は炭水化物を多く含む傾向にあります。特に、消化が早い小麦粉製品、白米、ジャガイモ、砂糖を多く含む清涼飲料水やジュース、スナック菓子などです。

「無脂肪」「低脂肪」とラベリングされている製品の多くは加工食品であることが多いです。食材から脂質を取り除いてしまうと、本来よりも味が落ちてしまいます。

その味の劣化を補うために、加工工程で大量の砂糖や添加物が加えられます。この砂糖が、低脂肪食品に炭水化物が多く含まれる要因です。

これらの炭水化物は、血糖値やインスリンの急上昇を引き起こし、やがて糖尿病や心臓疾患のリスクを上げることにもつながります。

また、たとえ脂質の摂取量を控えたとしても、炭水化物をたくさん食べてしまうと、中性脂肪が上昇します。そうすると、“善玉”コレステロールと呼ばれるHDLの低下を招きます。その結果、心臓疾患のリスクを上げてしまうと共に、血圧上昇も招いてしまうのです。

多くの人にとって、脂質を制限したローファットの食事は満腹感が薄いものになります。食後数時間で空腹感を感じ、間食してしまうことになるかも知れません。この悪循環が体重増加につながるのです。

脂質の摂取量を抑える食生活自体に問題はありませんが、満腹感を補うために炭水化物をたくさん食べてしまうと、健康的な食生活とはいえない状態になってしまいます。なので、低脂肪の食生活が合っていない場合は、やめてしまって問題ないでしょう。

Q: 無脂肪の食品はヘルシーなの?

A: 食品にはほとんど、または全く脂肪分が含まれないものがあります。例えばフルーツ、野菜、穀物、乾燥した豆などです。これらはヘルシーな選択肢です。

一方、”低脂肪”や”無脂肪”に加工された食品は、脂肪を取り除く加工工程で失われた味や食感を補うため、塩、砂糖、でんぷんが多く添加されています。そのため、このような加工食品はヘルシーとは言えません。例えば、ノンオイルドレッシングなどは、油を使ったドレッシングよりも塩や砂糖を多く含んでいます。気をつけましょう。

Q: 脂肪を控えないと血管が詰まって心臓疾患になる?

A: これは事実と異なります。過去数十年間で、この神話は最大の間違いのひとつとなっています。ここ数年、専門家や団体によって、トランス脂肪酸のような人工的に加工されたものではなく、天然由来の飽和脂肪酸はたっぷり食べても問題なく、健康的であることが明らかになっています。

飽和脂肪酸は加工されていない食品に多く含まれます。母乳にも実はたくさん含まれているんです。 過去10年間の研究結果では、飽和脂肪酸と心臓疾患には相関関係がないと結論づけられています。この結果は、TIMEなどの権威あるメディアでも取り上げられており、信頼性が高いといえるでしょう。

なので、天然の、”本物の”食品に含まれる脂肪は恐れずたっぷり食べましょう。

結局何の油だったら食べてOKなのか

調理油の場合

以下がおすすめです。

  • ココナッツオイル
  • オリーブオイル
  • バター

食べる脂肪の場合

以下がおすすめです。

  • アボカド
  • ナッツ(マカダミアナッツ、アーモンド等糖質が少ないもの)
  • 卵黄
  • バター

アボカドは”森のバター”とも言われるくらい脂肪分が豊富です。そのためカロリーが高く、中には敬遠してきた方もいるかも知れません。ナッツも同様、少量でも結構なカロリーになりますよね。

でも、天然の、加工工程を挟まない良質な脂肪は、たっぷり食べても太らないんです。

糖質制限をしながら良質な脂肪たっぷりの食生活を送ることで、気分すっきり、心も体もパワフルになりましょう!!

(出典)Harvard School of Public Health, “Ask the Expert: Healthy Fats